上腕二頭筋腱炎

2014.11.07 | Category: 四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)

 
 

上腕二頭筋腱炎(上腕二頭筋長頭腱炎)

 

力こぶ上腕二頭筋とはアメコミのポパイに代表される、腕の「力こぶ」をつくる筋肉のことです。

 

なぜ腕の筋肉が肩関節周囲炎四十肩五十肩)と関連があるのかというと、この二頭筋の起始部の腱は肩甲骨前面部、つまり肩関節前方部からおこっているので腱部に炎症が起きると肩の周囲で痛みを発させ関節包の癒着をはじめとした肩関節周囲組織の変性を引き起こします。

 

このようなことが背景にあるため、広い意味で肩関節周囲炎の一部に含まれたりしています。

 

※肩関節の特徴や、肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)の定義・病態・種類などは過去のトピックスをご覧下さい。

 肩関節の特徴⇒肩関節の特徴

 四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)⇒病態と種類

 

 

 

上腕二頭筋の特徴

 

上腕二頭筋は起始部が腱になっていて、長頭短頭の2つの部位(頭)から起こっているため「二頭筋」と呼ばれます。

 

≪上腕二頭筋 解剖学的まとめ≫

 

arm muscle長頭起始肩甲骨関節上結節(図左側の腱)

 

短頭起始肩甲骨烏口突起(図右側の腱)

 

停止部橈骨粗面(大部分)、前腕骨筋膜(一部)

 

支配神経筋皮神経

 

運動作用肘関節屈曲と前腕回外

上腕二頭筋 屈曲肢位   (肘を90°固定し、手のひらを上に向ける動作)

 

拮抗筋上腕三頭筋

   (反対の作用を持つ筋肉)

 

共同筋上腕屈曲時⇒上腕筋、烏口腕筋

    前腕回外時⇒回外筋、腕橈骨筋

 

 

 

上腕二頭筋腱炎の特徴

 

長頭腱と短頭腱では長頭腱部に炎症が起こりやすく、腱鞘炎のカテゴリーに入ります。

長頭腱部に炎症が起こりやすい理由として以下の解剖学的な特徴が挙げられます。

 

結節間溝短頭腱は起始部からほぼ真っ直ぐ下方へ走行しているのに対して、長頭腱は上腕骨に沿って横に走行し、上腕骨の大結節・小結節という山のように盛り上がっている部位の間を通り、走行角度を90°変えて下降します

 

この大結節と小結節の間のことを「結節間溝」といい、長頭腱は小結節の上~結節間溝部につっかかる様に走行しており、腱の摩擦が起きやすい構造になっています。

 

ここで摩擦によるストレスが繰り返し起こることによって、長頭腱に炎症が発生し痛みが生じた状態を「上腕二頭筋長頭腱炎」と呼びます。

 

 

 

上腕二頭筋長頭腱炎の症状・テスト法

 

上腕二頭筋長頭腱炎は結節間溝部の腱摩擦からの炎症による痛みですが、重度の際は夜間痛なども伴うことがあります。

主に物を持つ、前腕を捻る(特に回外)、肘を曲げる、肩を上げる、など長頭腱部に摩擦刺激がおきる動作で痛みが発生・増強し、動作が制限されやすいのが特徴です。

 

これにより、長頭腱部に伸縮が加わらないように庇うため、身体を前に倒すようになり肩が前に出てきます。(円背+上腕の内旋+肩甲骨の前傾

この結果、大・小胸筋が常に短縮することで肩の動きが制限され、肩関節を構成する筋・靭帯の連結・連動が阻害されて長頭腱炎以外の疾患を合併してしまいます。

 

肩峰下滑液包炎をはじめ、上腕二頭筋長頭腱炎と同じように肩関節前面に痛みを訴える疾患は多く、これらを区別する意味でも以下のテスト法を用いて鑑別を行います。

 

 

上腕二頭筋長頭腱炎の徒手テスト法

 

 

ヤーガソンテスト

 

気を付けの姿勢をしてもらい、そのまま肘を90°に屈曲します。

次いでこの状態のまま被験者に手首を回外してもらいます(赤色矢印)。この回外を行う際に施術者は抵抗をかけます(青色矢印)。

この時、結節間溝付近に疼痛を訴えたり、痛みが増強するようだと陽性とします。

 

ヤーガソン

 

 

スピードテスト

 

肩関節屈曲位で、手のひらを上に向けた状態で肘関節伸展してもらいます。

次いで施術者は被験者の前腕に手を置き、下方へ抵抗を加えます(赤矢印)。この際に、被験者には抵抗に逆らうように上方向へ力を入れてもらいます(青矢印)。

この時に結節間溝付近に疼痛が発生したり、痛みが増強するようだと陽性とします。

 

スピードテスト

 

 

ストレッチテスト

 

気を付けの姿勢から、施術者は被験者の手首を持って、腕を後方にもっていき肩前面(長頭腱)のストレッチ肢位をとります。

45~55°程度の範囲で検査をみますが、伸展時に結節間溝部に痛みが走る場合は痛みが出たところまでとし、無理をしないようにして下さい。

この伸展状態から肘関節のみを曲げます(青矢印)。

これにより長頭腱がストレッチの伸張ストレスから解放されるため、結節間溝付近の痛みが消失すれば陽性とします。

あくまで痛みが消失するかしないかをみます。

 

ストレッチテスト

 

 

 

上腕二頭筋長頭腱炎 治療・予防

 

治療

 

上腕二頭筋長頭腱炎の治療は、痛みがつよい「炎症期」にはまず炎症を緩和させることが第一になるので、ストレッチなどは控えるようにし、湿布などで消炎鎮痛につとめますが、何よりも患部を安静にしてもらうことが重要になります。

 

ただ、全く動かさないと拘縮を引き起こす可能性もあるため、痛みの出ない範囲で関節包内運動や遠隔治療を行っていき患部の制限をとっていきます。

二次的に起こる広義の肩関節に関係する組織(胸鎖肩鎖肩甲上腕肩甲胸郭胸肋関節)などの拘縮を防ぐためにも全体を意識した治療・調整が肩関節周囲炎を防ぐことにもつながります。

 

炎症が起きている結節間溝部には、超音波治療器などを用いて炎症物質を散らしていくのも効果的です。さらにテーピングなどで固定をするのも効果がみられることが多いです。

 

 

予防

 

肩甲上腕リズム予防としては、仕事がら腕を使うことが多い方や、パソコン・運転が多い方などは疲労性の炎症をはじめ、姿勢の乱れ肩腱板の酷使により肩甲上腕リズムの破綻を起こしやすいため普段からケアをすることが重要です。

 

特に肩を動かす際に首筋で肩を引っ張ってくるクセがついている場合は(右図参照)、肩関節の連動動作に乱れが出ているため注意が必要です。

また、筋肉の緊張がつよい時に大きく伸ばすストレッチをして逆に痛めることも多いので、

 

肩を軽く動かす⇒軽く伸ばす⇒ゆっくりと呼吸をつけて大きく伸ばす

 

のように、急に強い刺激で身体がびっくりしないよう(伸張反射)に工夫してストレッチを行うことをオススメします。お風呂などで温めてから行うとなお効果的です。

肩関節周囲炎対策のストレッチは後でまとめますのでご覧下さい。今回は二頭筋の基本的なストレッチを紹介します。

 

 

注意点

1から2の肢位に行く際、二頭筋が伸びる前に肩甲骨周囲や肩関節部に痛みや違和感が出る場合は肩甲帯の連動が低下傾向にあるといえます。この場合はストレッチを無理に行わないようにして、まず肩周りの筋肉の緊張をとってあげるようにして下さい。無理に行うとケガの原因になります。

 

二頭筋ストレッチ

 

片腕を肩の高さないしそれより少し低い高さまで上げて、手のひらを下に向け拳を軽く握り、壁に当てます。

次いで上半身を壁と反対側に捻りキープして伸ばします。

必ずゆっくりとした動作で行うようにして下さい。

 

 

 

                     

 

 

もみの木整骨院仙台鈎取店では肩の痛み・苦しさを訴える症状の場合、自覚症状が肩こりだとしても「肩関節全体」の連動性とパフォーマンスを確認して施術にあたっております。

肩こりから筋肉のバランスが乱れ、肩関節の連動性が失われた結果、突然痛みが出て肩関節周囲炎四十肩五十肩)を発症することが多いので、心配な方は気軽にお問合せ下さい。

 

肩の症状以外でも、むちうちをはじめとした交通事故治療や、ぎっくり腰などの腰痛頭痛など様々なお身体の不調は、仙台市太白区仙台南インター近くのイオンスーパーセンター2Fにあります、もみの木整骨院仙台鈎取店までご相談下さい。

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