肩峰下滑液包炎

2014.11.14 | Category: 四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)

 
 

四十肩・五十肩と肩峰下滑液包炎

 

肩関節周囲に起こる軟部組織の変性を基盤として炎症や痛み・制限を引き起こす「肩関節周囲炎」、いわゆる四十肩五十肩とよばれる疾患の中に「肩峰下滑液包炎」があります。

今回はこの肩峰下滑液包炎について書いていこうと思います。

 

※肩関節の特徴や、肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)の定義・病態・種類などは過去のトピックスをご覧下さい。

  ・肩関節の特徴⇒肩関節について

  ・肩関節周囲炎周囲炎(四十肩・五十肩)⇒病態と種類

 

 

 

滑液包とは?

 

滑液包とは、筋・腱・靭帯・骨などが重なる間にある扁平な小嚢(ふくろ)であり、嚢内に滑液粘液を貯留している組織です。これにより筋腱など、重なり合う組織のクッション作用および、組織の摩擦を防いでいます。

もともとは関節を包む膜である関節包であり、その一部が外に膨れ出して独立した組織であり、多くは関節腔(骨と骨の間の空間)と交通していることが多いです。

 

関節腔と交通している滑液包を交通性滑液包、独立した滑液包を非交通性滑液包とよびます。

 

交通性滑液包の特徴

⇒滑液包が関節包とつながっているので、滑液が関節腔⇔滑液包を行き来できるため、動作時の関節・筋腱内圧力の調整がスムーズに行える。

 

非交通性滑液包の特徴

⇒独立した袋のため、主にクッション作用がメインとなる。大きな圧力(荷重)をうけやすい関節部に多く存在します。

 

 

また、滑液胞はもともと関節包であり神経および血管が多い部位なので、炎症が起きるとすぐに痛みが発生してしまいます。

 

この滑液包が組織間に挟み潰された状態で動かすことにより、その摩擦で炎症を引き起こしたり、潰された状態で組織と癒着をしてしまうことで、動作時に癒着が引き剥がされて炎症を起こし、疼痛とそれによる動作制限を発生します。

 

 

肩峰下滑液包

 

肩関節肩峰下滑液包は、肩甲下滑液包上腕二頭筋腱滑液包と並び、肩関節に存在する三大滑液包のうちの1つになります。

 

上面は三角筋下部筋膜肩峰下面烏口肩峰靭帯肩鎖関節下部関節包と連結しており、下面一部は腱板表層に密着して1対化しています。

 

三角筋下面部を三角筋化滑液包烏口肩峰靭帯部を烏口下滑液包と個別に呼んだりもしますが、この3つは交通していることが多く、これらを総称して肩峰下滑液包と呼んだりします。

 

この肩峰下滑液包は肩峰と上腕骨の間に存在し、クッションのような役割を担っています。ここが主に棘上筋と癒着をして夜間痛をはじめとした様々な制限を引き起こしていきます。

 

 

 

肩峰下滑液包炎とは?

 

肩峰下滑液包炎とは肩峰下滑液包の急性または慢性の炎症であり、繰り返し起こる圧迫や使い過ぎ、急な外力などで炎症を発生します。

 

また、肩峰下滑液包の近くを走行する上腕二頭筋腱の炎症や、肩のインナーマッスルである肩腱板(ローテターカフ)の炎症に付随して起こることもあります。この際は、炎症物質の沈着から組織が変性をおこしたことにより、滑液包へかかる圧力が増えたり、癒着をおこして発症します。

 

それ以外でも加齢による肩腱板の機能低下部分的な損傷(痛みが出ない腱板損傷もある)があり、このような上腕骨頭を支える力が低下した場合は肩の動作時に首筋で肩甲骨を持ち上げて肩の動作を代償するため、上腕骨が上に引っ張られてしまい、肩峰と上腕骨の間が狭くなってしまいます。

 

この結果、第二肩関節(上腕骨と肩峰の間)の圧力が上がり、押しつぶされた状態が多くなることで炎症を起こしたり癒着を起こしやすい環境になって発症します。

このような肩峰下滑液包の棘上筋との癒着で起こる滑液包炎では、必然的に第二肩関節が狭窄する肩峰下インピジメント徴候を起こします。

 

肩峰下図

 

 

 

肩峰下滑液包炎滑液包炎 症状

 

肩峰下滑液包炎の症状で一番に挙げられるのは「痛み」で、炎症が起きている際はどの動作でも痛みを生じ、第二肩関節(肩峰と上腕骨頭)の狭窄が起きていて関節内圧が高い状態では痛みがつよくなりやすくなります。

 

この痛みは痛みで肩を上げれない有痛性の関節可動域制限であり、他動的・自動的な動作でも疼痛を生じるかどうかで腱板損傷・断裂との鑑別を行います。

 

 

 

烏口肩峰靭帯また、腱板機能の低下周囲組織の変性がある場合は、夜間痛も出やすく、状態によってはかなりつよい夜間痛を起こす場合があります。

 

これは、烏口肩峰弓(棘上筋が烏口突起と肩峰をつなぐ烏口肩峰靭帯の中を通るトンネルのような部位)が周囲の炎症・烏口肩峰靭帯の肥厚や骨棘などにより、トンネル内が狭窄し内圧が上がり発生します(一時的要因の夜間痛)。

 

その他、棘上筋と肩峰下滑液包の癒着が背景にあり、これにより筋のスパズムや浮腫が発生し拘縮を起こして発生する二次的なものもあります。

 

何にせよ、肩こりの症状がある場合でもきっちりと肩甲骨を含めた広い意味での肩関節の機能が破綻をきたしていないかを診ていくことが予防としては重要になります。

 

 

 

肩峰下滑液包炎 テスト法

 

肩峰下滑液包炎はインピジメント症候群・腱板損傷と似たような痛みを訴えるため、鑑別を図るうえで以下の徒手テスト法があります。

 

 

ドロップアームテスト

 

肩関節外転90°まで他動もしくは自動で持っていき、その姿勢を保持できるかどうかをみます。

腱板損傷などが疑われる場合は、外転位姿勢を保持できなくストンと落下したり、支えることで目いっぱいなためプルプルするのが特徴です。

また、他動でしか90°までいかない場合は腱板の損傷・断裂が疑われ、自動・他動ともに痛みがある場合は肩峰下滑液包炎肩峰下インピジメント徴候が疑われます。

 

 

ペインフルアークテスト

 

手のひらを下にして肩関節をゆっくりと外転させていき、60°~120°の範囲で疼痛が増強し、それ以外では疼痛が消失するかをみます。

自動外転が不可能な場合は他動的に行って確認します。

肩峰下滑液包炎滑液包炎、腱板炎(断裂)、肩峰下インピジメント徴候などが疑われます。特に他動時に疼痛が減弱する場合は腱板の損傷が疑われます。

 

また、60°~120°の疼痛位置で手のひらを上にした際に痛みが消失・減弱する際は肩峰下インピジメント徴候の疑いがつよいといえます。

これは外転60°~120°の範囲で、上腕骨の大結節部と肩峰の間に挟まれた肩峰下滑液包が最も圧力を受けるため痛みを訴えやすいからです。120°を超えると滑液包は肩峰下に入り込むため痛みは消失します。

また、手のひらを上に向けた際に痛みがつよくなる場合は、関節包の癒着や炎症などが疑われます。

 

  インピジメント1 インピジメント2

 

 

タウバーン徴候

 

患者の肩峰下滑液包炎部を圧迫し痛みがあるかを確認します。(滑液包炎があればおおよそ圧痛を訴えます。)

圧痛点を押したまま、患者の肩関節を他動的に外転していきます。この動作の際、疼痛が減少・消失すれば陽性とし、インピジメント徴候を伴った肩峰下滑液包炎の疑いがつよくなります。

 

これは圧痛点を押さえて外転することにより、肩峰下滑液包が肩峰の下に入り込むため痛みが減弱・消失するからです。

 

                       

 

 

もみの木整骨院仙台鈎取店では、肩こりを訴えて来院された方にも、肩関節の連動性をしっかりと確認して施術を行っております。

ただの肩こりと思っていても肩腱板機能の低下や癒着・拘縮がみられる場合もあるため注意が必要です。肩こり=筋肉の硬さから徐々に拘縮癒着につながることも多いので、「肩関節周囲炎」の予防も兼ねて定期的にケアをするようにしてみて下さい。

 

また、肩の症状に限らず、むちうちをはじめとした交通事故によるケガや、ぎっくり腰寝違えなど様々なお身体の不調は、仙台市太白区仙台南インター近くにあるイオンスーパーセンター鈎取店2Fにあります、もみの木整骨院仙台鈎取店までご相談下さい。

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